切れ目のある丸い形をいくつか描くと、
池に浮かぶ蓮の葉の群れに見えてきた。
睡蓮といえば、クロード・モネの睡蓮の連作が
あまりにも有名であるが、
睡蓮とハスの池では見た目の雰囲気が
だいぶ違うということは以外と知られていないのではないか。
睡蓮は浮き葉という水面と同じ高さに浮いた葉が基本で、
花もほぼ水面の高さに咲く。葉に切れ目が入るのも睡蓮の特徴である。
それに対してハスの葉は、浮き葉と立ち葉というものが存在し、
水面の高さの葉と、水面から立ち上がった高い位置にある葉とが
混在しているのが特徴で、花も高い位置に咲くのだ。
鑑賞目的の池には、睡蓮があることが多いため、
我々の頭の中では睡蓮=ハスになってしまっている部分もあるだろうが、
2つは全くの別物だったのだ。
また、少し伝説めいた話ではあるが、
睡蓮の花は咲く時に音を立てるというのだ。
朝開いて夜には窄んでしまう礼儀正しい花だけに、
その音を耳にすることができたらそれは貴重な体験だ。
一説ではその音を聴くことができると悟りが開けるとまで言われている。
ポンッという破裂音を立てるというのだが、
まるで空洞の茎の中で膨張していた空気が開花と共に破裂する音と
考えるのが妥当かもしれない。
自分の耳で聴いたわけではないので、
信憑性のある話はすることはできないが、
朝靄のかかった睡蓮池でただその音を待って耳を澄ますのも、
なかなか風流で贅沢な時間なのではないか。
2015.08.22
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