縦に筋の入り先端が尖った塊は、
中にある何かを包み込んでいるようだ。
それは、熟すと鮮やかな橙色に変化する
鬼灯(ほおずき)の実のようだ。
鬼灯は夏に花を咲かせ、
その後にがくの部分が袋状に変化し、
実を包み込むようになる
日本の仏教風習のお盆には、鬼灯を
死者の霊を導くための提灯に見立て、
枝付きで精霊棚に飾る。
鬼灯という字を書くのは、こういった
使われ方から来ているのかもしれない。
鬼灯の袋は、乾燥すると細かい繊維だけが残り
もし内側に本当に灯が灯っていたら、
間接照明的な柔らかくて心地いい光を
放つと考えたことがある。
その皺くちゃでパリパリした質感は、
提灯の火袋に非常に近いものがある。
実際に、鬼灯をモチーフにしたプロダクトも
おそらく存在していると思うが、
実際に一度、中に豆電球でも入れて
灯してみたいと思うほどである。
2015.02.21