半月型のシルエットになるように4本の線を引くと、
団栗の殻斗のようになったので、丸い実を中に入れてみた。
団栗はブナ科の植物で、
特にカシ、ナラ、カシワなどのコナラ属の果実の総称である。
団栗の木というのは存在しないのだ。
同じ団栗でも、正円に近いものや、より楕円形に近いもの
などがあるが、それが木の違いによるものなのだろう。
ブナ科の果実の特徴として、殻斗と呼ばれる組織が
果実を覆っている。この種のことを、
別名殻斗科と呼ぶこともあるという。
同じブナ科の植物に栗があるが、栗はなぜか
団栗の括りには入らないらしいが、名前が半分同じことから
同じ仲間なのだということを再認識させられる。
子供の頃よくブナ科の木がある林を歩いていると、
団栗の実がついた木の枝がたくさん落ちているのを目に
したことがある。当時特に疑問に思わなかったが、
その枝を落としているのが、ハイイロチョッキリという
得体の知れない虫だったということを知らなかった。
この虫は、団栗の中に卵を産んだ後に、その実がついている
枝をチョッキリ切り落とすというのだ。
子孫繁栄のための行為なのだろうが、
ブナ林の不思議のひとつが小さな虫の仕業だったというのは、
とてもホッコリする話である。
当時の僕にはその疑問を図鑑で調べるという行動力と
好奇心がなかったのわけだが、いつも森で見つけた不思議と
向き合って様々な昆虫の生態を突き止めていった
ファーブル博士は本当に偉大だと改めて思った。
子供の自然科学観察コンクールの結果が載っているサイトに、
ある小学3年生の研究成果が書かれていたのでリンクを貼っておく。
いまの子供はすぐにインターネットでこういった他人の研究に
アクセスすることができるのは、とてもいいことだと思う。
もちろん、実際に自分で研究することはそれに勝るが、
無尽蔵にある情報ソースをうまく使うことで、
学びが確実に効率化されていく側面は否定できないのかもしれない。
2015.06.27