くねくねと蛇行した線を
いくつか絡めて描いていると、
蛇のような、あるいは一般相対性理論で語られる
時空の歪みのような形に思えてきた。
一般相対性理論では、質量を持つ物体の周囲には
時空の歪みが生じ、それが重力の正体とされている。
光の光路でさえも、重力レンズという効果で曲がるという。
質量が大きい物体であればあるほど、
その周囲の空間が歪むということだが、
その考えに則ると太っている人の周囲の時空は
痩せている人の周囲の時空よりも歪んでいることになる。
時空というのは当然目に見えないものだが、
その辺を歩いている人の周りの時空の歪みを絵に描いていったら
へんてこで面白いのかもしれない。
仮に、外見は全く同じで中身が空洞の人間と、
中身がぎっしり詰まった人間が並んでいると、
その周囲の時空の歪みはどんな風になるのだろうか。
物体と精神が別のところにあるという説を唱える人がいる。
その説に則ると世界の仕組みが意外なほど腑に落ちる。
でも我々が生きている世界は物質が支配している。
仮に、物質から脱却して精神世界に移動できる手段があったとしても、
僕はそれを実践することよりかは、
目に見えるビジュアルにその答えを探したいと思う。
古代文明がそのメッセージを壁画に刻んだとするならば、
それは物質として残すことが、後世に自分たちの生きた奇跡を残す
最良の手段だと思ったからなのではないかと思う。
2015.03.28