3本の曲線の重なりは、
玉葱の断面のように見えてきた。
玉葱はを外側の皮からどんどん剥いていくと、
一体どこまでが皮で、どこからが実なのか
だんだん分からなくなってくる。
要は、非常に境界線(BORDER)が曖昧なのである。
我々がいつも食べている玉葱は、
一体玉葱のどの部位なのかが気になって調べてみた。
全く予想に反して、それは葉の部分であることが分かった。
玉葱の断面を見ると、丸い鱗片(葉)のつけ根に、
小さな茎のようなものがある。
我々がいつも食べている部分は、
そこから生えている葉の部分だというのだ。
本当に境界があいまいな植物である。
また、玉葱はその養分を内側に蓄える機能が充実していて、
非常に保存がきく食物としても知られている。
一番外側の葉が乾燥して外皮となり、
中の水分や養分を保護するためのフィルムの役割を果たしている。
一番外側の茶色い色の皮がそれである。
驚いたのは、その一番外側の外皮を剥がして置いておくと、
その下の層にあった葉がまた乾燥して外皮になるということだ。
これは、シェルターの構造などにも応用できそうな特性である。
まさに玉葱は、自分の内側と外側に自由にBORDERを作ることができる
境界生成能力を持った、超鎖国主義の生命体なのかもしれない。
2015.03.07