花粉症の季節だなあと思っていたら、
カーネーションのような柔らかい花びらと、
無愛想な肌色の三角形を描いてしまった。
周りを見渡せばマスクをした人ばかりになるこの季節だが、
花粉は一体いつから日本人の国民的大疾患になったのだろう。
そもそも花粉はどこから飛んできて、どこへ向かうのか。
そんなことを思うと、少し花粉のことを知りたくなった。
花粉症を引き起こすとされる植物は
60種類以上もあるとされている。
その中でも最も花粉症の原因となるのがスギ・ヒノキなどの針葉樹系の植物である。
僕も知らなかったのだが、
日本は元々広葉樹を主体とした多種多様な樹木が分布していて
森林の90%は広葉樹だったようだ。
しかし、高度経済成長期における建築用木材の需要高騰に合わせて、
スギ・ヒノキが一斉に大量植林されたのだ。
現在、日本の森林面積の28%を占めるスギ・ヒノキ人工林のうち9割は
戦後の植林によるものらしく、この種の樹木が
花粉を盛んに生産するようになるには30年ほどかかるため、
この当時に植えられたスギ・ヒノキが今になって
花粉を大量に飛ばしていることになる。
ある意味では、異常に加速した生産の需要に応えるために
急激な植樹をして森林の生態系バランスを崩したことの見返りとして、
現代人の花粉に対するアレルギー反応あるとも言えるのだ。
仮に、当時はこうなることを予測できなかったとするならば、
確実にこの先も我々の生理現象に変化をもたらすことが
たくさん起こることが予想される。
いい意味で、覚悟をしておいた方がいいと思うのである。
2015.03.14