枝豆を想起させる3つの膨らみを持った形が描けた。
当然のごとくこれは鞘の内側に内包される
豆の膨らみによって現れる形である。
豆自体を描かないわけにはいかず、
3つの正円を鞘の形の背後に配した。
ただ、背後に整列させてしまうと
すっぽりと鞘に隠れてしまうので、
1粒だけはみ出し者を作ってみた。
これを団子三兄弟ならぬ、豆三兄弟となづけた。
以外と知られていないことだが、
我々がよくつまみにする枝豆は、未成熟の大豆を収穫した
ものである。夏に収穫するものが多いが、枝豆として収穫できる
期間というのは非常に限られているという。
そういえば枝豆の鞘として想起する豆の個数は、
何故か3個が一般的である。
1粒や2粒のことも時々あるが、3個以上の数は
ほとんど目にすることはないのではないか。
1個や2個だと花芽としての栄養が足りておらず、
逆に4個などになると、栄養が分散して不十分なものが
出来上がるそうだ。そのため商品として出回る枝豆は、
収穫された段階で4粒のものは省かれてしまっているというのだ。
どうりで4個以上の枝豆を目にしないわけである。
自然なものは、当然ばらつきもあるということである。
枝豆ひとつとっても、
我々が共通の記号性を持って認識できる図像というのは、
予期しないところでフィルターを通過してしまっていて、
そのもの本来の姿ではないこともある。
図像に対して懐疑を持つことも時には必要だと考えさせられる。
2015.01.10