掠れるほど勢いのある線。
ただ無造作に横一文字に引っ張る。
遠心力で線が途切れそうになる。
その線のえぐれ方は、身をきれいに食べ尽くされた魚の骨を思わせる。
いっそのこと、細かい骨もと、
縦一文字にたくさんの線を刻んでみた。
これは、骨格だけでできた魚である。
骨格について少し考えてみた。
骨格は造形の基本要素である点、線、面でいうところの
点と線にあたるのだろう。
線は、点と点を結ぶことで立ち上がってくる造形だが、
言うならば点は、人体で言うところの関節であり、
線はまさに骨に当たる。
線のドローイングは、点を打たずに意識しながら
線を引くことで造形を立ち上がらせようとするものだ。
面は、線と線の間にある一定の量感を表現することで
立ち上がってくる。
よく、上手な人のデッサンは線を引いただけで
量感を感じると言われたが、そこに見えない面を
感じさせていたということだ。
僕はというと、デッサンの前に行うクロッキーという
対象の印象を速描する段階で一番褒められ、
デッサンをし始めるとイマイチだねと先生に言われた記憶がある。
要は、勢いに任せて引く線にはメリハリがあり
面白みがあるということなのだ。
先生の言葉を鵜呑みにして、巨匠気取りでクロッキーに
精を出していた自分がかわいくも滑稽である。
少し話を戻すと、
骨格というのはそれほど肝要なものであり、
整体で骨格を治すと身体全体の調子が良くなるように
何かおかしいと思ったら骨格を疑ってみると
いいのかもしれない。
2015.01.07
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