きれいに楕円が書けた。
それは数学的に正確かどうかというよりも、線の抑揚なども含めて
僕自身が美しいと思ったかかどうかであり、細かい点はご容赦頂けるとありがたい。
楕円は円が潰れた形でもあり、
円を斜めから見た形でもある。
後者の場合、円を空間的に捉えることになるので、
空間性を表現することができるということでもある。
線で空間を表現する場合、抑揚もひとつの表現力になる。
仮に、手前と奥があるとすると、手前の線は強く太く、
奥の線は弱く細く描くことによって、空間性を感じさせることもできる。
それを5つ等間隔に並べてみた。
そこには筒状の空間が出来上がり、そこをまさに通って来た
ボールを配してみた。それがHALL BALLである。
空間性を感じると、不思議なものでその空間性をもっと演出したくなる。
二次元と三次元の世界は、まさに紙一重なのだと改めて思う。
ボールはそのままだと、どこまででも落ちていってしまう。
しかし虚像としての影を表現することで、
そこに水平な平面が立ち上がり、浮遊感が生まれてくる。
我々の身の回りには当たり前のように様々な物質が存在しているが、
個々の物体を取り巻く力学的な力は目には見えない。
ニュートンの慣性の法則で語られるところの力学を図像として表現してみると、
普段は意識しない個体と個体の関係性が発見されるかもしれない。
そう考えると、HALL BALLは遠心力という目に見えないものを
空間というネガティブスペースで図像化したものとも言える。
どうでもいい話だが、
大学生の頃、酔った勢いでとっさにやってしまった身体を張ったギャグで
「HALL HALL NOSE TO NOSE」というものがあったのを思い出した。
これは、両耳に両手の指を突っ込んだ後に、その指を続けて鼻の穴に入れるという
なんとも滑稽なギャグである。
まさにこれは、遠心力という力学を、ギャグという形で可視化した
僕の本能的な試みだったのだろう。
2015.01.08
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