台形という図形は末広がりでなんだかありがたい。
日本人の多くが連想するであろう末広がり型の代表格は富士山だろう。
台形のシルエットに帽子を被せるように雪化粧をすると、ほぼ9割方の人は
富士山をイメージするのではないでしょうか。
この強い記号性は、他にはなかなかない。
他にも、台形は「プリン」などにも見えてくる形です。
プリンの場合は、上に乗せるのはカラメルソースですが。
この2つの記号の類似性が面白かったので、MT.PUDDINGと名付けてみました。
話は逸れますが、漢字の「八」は、末広がりでいい数字とされています。
言われてみればですが、富士山とそっくりです。
普段、漢字の「八」を表記で使用することはあまりないが、
こんな話を知っていると、使ってみたくなるものです。
日本人はどうしてこうも縁起を担ぐのが好きなのでしょう。
もうひとつ余談をすると、
狂言の曲目のひとつに「末広がり」という有名なものがある。
この話は、傘を末広と称して売りつける詐欺師と、それに騙される太郎冠者の話である。
ここでいう末広とは扇(おうぎ)の一種の中啓を指しているそうです。
考えてみれば、扇もひっくり返すとまさに台形で末広がりではないか。
逆に言うと、「末」と「広がり」は「末広」でもともと1つでだったと考えられる。
末広さんという苗字が多いことにも納得がいきます。
台形の記号性から、「末広」の語義にたどり着くとは思わなかったが
象徴的な図像を象徴的な言葉として残してきた日本人のセンスは流石なものである。
普段何気なく認知している記号を紐解くと、思いもよらない収穫があると
改めて感じるのであった。
2015.01.06
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