8方向に広がる形の真ん中に、
黄色い正円を描くと、写実ではなく
抽象化された花のシルエットのようになった。
太陽がなくても咲く花もあるが、
ほとんどの花は太陽と共にある。
また、花によっては日の光によって
咲いたり蕾んだりする花もある。
そう考えると、花が咲く時間を知ることで
時間を知る時計ができるのではないかと思って調べてみたところ、
大分昔にそれを創った人がいたことを知った。
1751年にスウェーデンの博物学者、
カール・フォン・リンネによって考えられた
リンネの花時計と呼ばれるものである。
それは、午前6時から1時間ごとに
咲く花が移り変わっていくもので、
その花が目盛り代わりに時計盤に描かれているものだ。
花が咲くことによって時刻を知らせるという、
まさに花時計の名にふさわしいものであった。
時間を追うごとに新しい花が咲いていく様は、
24時間という時間を多分に豊かにしてくれるに違いない。
では、一般的に花時計と言われるものはどうだろう。
その姿はもはやリンネのそれの面影もなく、
一面の花壇のうえに、時計の針が配置されただけの
花壇時計という方が正しいくらいの代物である。
花時計という名前からして既にコンセプチュアルなものが、
アウトプット1つでここまで変わってしまうことは
非常に大きな教訓だと思う。
花壇時計の方が何かと都合が良かったのかもしれないが、
花時計と名乗る以上、先駆者リンネに対して
顔向けができるものにしなくてはならないのだろう。
2015.07.25