逆三角形に尖った耳が2つついたような
シルエットが描けると、お祭りなどで
見かけることのある狐面のように見えてきた。
狐のお面は、そのデザインだけでもかなりの種類があり、
古くから残ってきた言い伝えが具体的なモチーフとして
形になって今も残っているものの代表例でもある。
狐が、こうも言い伝えられ、信仰の対象になったり
お面になって庶民に親しまれたりしてきたのかには、
しっかりとした文献を漁らないと辿り着けなさそうである。
ネットで調べられた範囲では、
伏見稲荷大社を中心とする全国の稲荷神社が
お稲荷さんの使いとしての狐を置いていたことで
広まったとする説や、元々は神社や寺院との結びつきはなく、
五穀豊穣の神として言い伝えによる信仰の対象になっていた
ところに、稲荷の神の同体と考えられる御饌神を三狐神と
書き間違えたことがきっかけで狐が登場したという説もある。
梅原猛氏の一説によると、伏見の地には秦氏が入ってくる前に、
狩猟の民が狼を山の神として信仰していて、それがいつしか狐に
変化して後からやってきた農耕の民たちの神と習合したのだという。
その後、更に広まっていく過程には真言密教の影響もあったとか。
また、人を化けて騙すともされる狐であるが、
眉毛の数を読まれると狐に騙されるとされていたことから、
眉に唾をつけるとよいという説が生まれ、
真偽の疑わしいものを眉唾物というようになったという。
諸説どれも興味深く面白いが、流石に狐である。
どれもこれも眉に唾を塗って向き合わないと、
疑いもなくまんまと信じ込んでしまいそうである。
2015.07.23
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