放射状に線を引いていたら、
扇型のシルエットが立ち上がった。
それは、食用として貝柱が不動の地位をもつ
帆立貝のシルエットになった。
帆立貝という名前は、なかなか個性的である。
調べてみると、その名の通り
昔は貝殻の一片を帆のように立て、
それで風を受けて海上や海中を走ると
思われていたことからこの名がついたそうだ。
また、その貝の形からそれを扇に見立て、
海扇(うみおうぎ)と呼ばれることもあるという。
この呼び名は非常に大和ことば的で、ふくよかで耳触りが良い。
大和ことばとは、古くは和歌という意味を持っていたものだが、
時が降下り、雅語という意味で使用されるようになり、
その後、宮中や幕府などの上流階級の婦女子が
使うようになったことで、女房言葉と呼ばれたこともあっようだ。
たしかに大和ことばは女性的なふくよかさを持ってる気がする。
また、やまとなでしこということばがあることからも、
大和の時代は女性の感覚を色濃く持った時代だったのだろう。
確かに、大和の時代というのは、倭の国から元明天皇という女帝に
変わり、倭と通じる「和」の字に「大」をつけて大和になったことを
考えると、当然この時代に女性的感覚が尊重されていたことも腑に落ちる。
ことばとその裏側にある歴史背景は、
どこか必ず因果関係を持っていると思っていると、
日本語の一言一句がどんどんおもしろくなるのかもしれない。
2015.03.26
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