ぼんやりとシルエットで表現した
視覚的な記憶の中の7と、
極力単純な図形で示した7に近い
プロポーションの間から、
7という数字の記号認識を考えてみようと思う。
アラビア数字における角の数のルールに則ると
7を表記する際には2本の横棒を入れる必要がある。
その形は我々が認識している7とは大分印象が違う。
7はラッキー7などという特別な意味も付与される数字で、
777のぞろ目の印象が脳裏に焼き付いているために
余計に見たことのない表記に出会うと
特に違和感が強いのかもしれない。
インド系のアラビア数字やペルシア文字に至っては、
7の表記はアルファベットのVに近い形をしている。
イスラエルの時計台の画像が非常に面白い比較になっていたので
リンクを貼っておく。
わざわざ2種類の数字の表記を時計台に用いるのは、
2つの言語背景を持つ人種が共存することの象徴なのか、
あるいは共通言語化された数字へのアンチテーゼなのか、
非常に象徴的な例だと思う。
それにしても、インドで生まれた数字を今では世界の
4/5が使用するようになったことは、まさに革命である。
10進法や、位取り記数法のシステムが世界に浸透していく様は、
インドの数学者からしたらこの上ない学者冥利に尽きることだったのだろう。
アラビア数字が西洋世界に初めて紹介されたのは、
1202年にフィナボッチが記した「算法の書」によってだという。
日本に至ってはアラビア数字が使われるようになってまだ100年余である。
我々は何の疑いもなく数字に支配されているが、
身の回りに氾濫する記号の海の中でただただ溺れてしまわずに、
自分に一番しっくりくる記号を探してみるというのも
面白いのかもしれない。
2015.08.16
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