柔らかい角の三角形を描くと、
経穴(ツボ)に艾を盛って火をつけて行う
お灸の盛り上がりに見えてきた。
お灸の起源は古代中国に遡り、
東洋医学的な発想で行われる民間療法である。
日本では、医師以外がお灸を行う際は灸師免許が必要で
ある特定の技術を持って行うべきもののようだ。
私は昔からお灸が怖くて試したことがない。
ただでさえ熱そうなのに、
その熱を経穴(ツボ)に集中的に与えるのだから、
想像するとちょっと遠慮させて頂きたいと思っている。
子供などを強くしかる意味の言葉として「灸を据える」と言ったり、
お仕置きや制裁の隠喩として「お灸」が使われるのは、
まさに灸がなかなか応える仕打ちであると私に妄想させる
要因のひとつなのかもしれない。
お灸は医療的に完全に証明されていないが、
身体の敏感な部位に熱のによる刺激を小刻みに与えることで
自律神経系を活性化して免疫機能の回復が見込まれるそうだ。
そんなお灸の本質というのは何なのだろう。
それはおそらく私が感じている拒否反応なのではないかと思う。
「アチッ!」という熱に対する反射神経が、全身の感覚器官を
活性化させていくようなイメージだろう。
そう考えると、肉体的にも精神的にも疲弊して、
身体感覚が鈍化している状態に対して非常に効果がありそうな気がしてくる。
生身の肌の丘の上に、艾を持って線香で火をつける。
その瞬間の緊張感と恐怖感に私が打ち勝てる日は
そのうちやってくるのだろうか。
2015.06.14
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