T字型の白いシルエットは、
男性用の下着の代表格のブリーフパンツのようだった。
下着の名称について、少し思うことがある。
英語でパンツと言ったら、所謂スボンを意味する。
ファッション用語では、そちらの使い方のほうが
圧倒的に馴染みがある気がする。
しかし、我々が子供のころから慣れ親しんだパンツは、
真っ白なブリーフだったり、「パンツ丸見え!」のパンツである。
いったいどこでこの歪みが生じたかは
定かではないが、ある時期を境に、
パンツの世界は驚くほど広いことを目の当たりにするのである。
いままでパンツだと思っていたものは、
パンツの中のほんの一部の、ブリーフパンツだったことを知り、
パンストやパンティー、ショーツやトランクスなど、
パンツの親戚なのか何なのか分からないが、
下着という世界にはいろいろあるということを知っていく。
我々は便利な外来語によって、
無意識のうちに意味の範囲をものすごく
狭めてしまっていることがあるのかもしれない。
真っ白なパンツにどうしてここまで考えさせられるのだろう。
もしかすると、パンツは我々の意識の中で、
下着(下半身に身につけるもの)のシニフィエをすべて受け止めた
原型となっているのかもしれない。
2015.06.16
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