真ん中に穴の空いた円から1本の足を延ばすと、
ぐるぐると巻き取られたテープのようになった。
テープは、幅が狭く、長い帯状の布や紙などを指す。
一言でテープと言っても、
セロファンテープ、ガムテープ、メンディングテープ、養生テープなど、
用途によって様々な種類が存在している。
また、カセットテープやビデオテープなど、
情報を記録するメディアとしても活用されてきた。
多くは工業や美術工芸など、ものづくりに関わるある工程で
接着という目的で使用されることが多かったが、
近年ではその手軽さや、用途を限定しないメディアとして
コミュニケーションツールとしての立ち位置を確立しつつある。
マスキングテープというテープがある。
マスキングは、塗装等の際それらがはみ出して作業箇所以外を
汚さないようにするために貼る保護用の粘着テープである。
美術大学を出ている人なら一度は使ったことがあるだろう。
このマスキングテープを開発・生産するmtという会社が
始めた施策がいまどんどん広がりを見せている。
テープという無個性だった道具を、
自由なキャンバスかのように捉え直し、無数の柄の
デザインバリエーションを作ることで、
マスキングという本来の用途から大きなジャンプをして、
100人100様の個性を発揮できるコミュニケーションツールに
進化させてしまったのだ。
また、本来の用途とは別の使用用途になったことで、
本来のテープ巻きの量を持て余すことに気づいたユーザー自身が、
別の芯に巻き替えることで、コレクションを交換したり
ストックしたりするアイデアを生み出したりもしているようだ。
面白い事例があったのでリンクを貼っておく。
もはやテープの粘着力は、有形のものから
無形のコミュニケーションというものの粘着力に
発揮される部分の方が期待値が高いと言えるのではないか。
既存の価値をいい形で裏切ることで新しい価値を生み出す。
これがテープに限らず、あらゆることに言えるところが
非常に今日的な時流だと思う。
2015.09.01
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