全体としてはふっくらと丸く、
真ん中に割れ目のある形を描くと、
人間の脳のようにも、桃のようにも見えてきた。
桃という漢字は、木と兆からなるが、
「兆」はものごとが2つに割れる様を意味することから、
桃は、実が2つに割れる木を表しているという。
非常に単純で簡単な記号定義だと思う。
平べったくて殻が2つに割れるアーモンドを
扁桃と書くことも同様に理解できるだろう。
方や人間の脳も2つに割れているが、
兆という当て字も使われていない。
しかし、唯一人間の脳には扁桃体という部位が存在している。
扁桃体は神経細胞の集まりで、主に
情動的な出来事に関連付けられる記憶の形成と貯蔵における
主要な役割を担っているようだ。
体験や記憶を長期保存するかどうかを決めるのもこの部位の役割であり、
側頭葉(扁桃体を含む)を損傷すると
過剰反応、情動の低下、恐怖の喪失や異常性欲など、
行動に様々な変化が現れることも、
過去のアカゲザルでの実験で確認されていて、
我々の判断や行動にかなり大きな影響を持っていることが分かる。
即ち、脳の中に見つかった桃は
完熟で食べると甘くて美味しい桃のイメージとはまったく違い、
我々の人格を形成するうえで欠かせないもので、
決して食べることを許されない禁断の果実なのかもしれない。
2015.08.31
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