二重のアーチの間に、
交互に等間隔に接するギザギザの線を描くと
ガッチリと組まれたトラス構造の橋か、
食いしばった歯のように見えてきた。
橋は、行き来を阻む存在の上を越えて通行するために
人間が創りあげた構造物でだが、
最初にそれを架けようと考えた人間の意志は
その後の世界を変えることになったと思う。
古くは紀元前4000年のメソポタミア文明の頃から、
石積みの橋があったというのだからすごい。
それはおそらく交通上の問題の解決と同時に、
時の権力者の名前や権力を知らしめるための
メディアでもあったのだろう。
また、古代ローマ時代など古くは
橋を架けるのは聖職者の役割で、
中国や日本でも、仏教僧侶が架けることが多かったという。
それまで何かに隔てられていたモノとモノの間を繋ぎ、
人や情報が行き来できるようするということは、
まさに創造の路を切り拓くことであり尊いことだろう。
架けられた橋は橋で、昼夜を問わず人々の交通を支える
黒子のような存在に徹し続けることになる。
まさに、歯を食いしばって佇んでいるようだ。
世界で最長の橋は、
中国にある丹陽-昆山特大橋という橋で、全長164.8kmだという。
ちょっと想像し難い距離の橋だが実際に機能している。
ここまで来ると、橋を架けたというよりもむしろ
道を敷いたというような感覚に近く、
橋である必要があるのかないのかわからなくなってくる。
2015.08.26
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