ぼんやりとシルエットで表現した
視覚的な記憶の中の5と、
極力単純な図形で示した5に近い
プロポーションの間から、
5という数字の記号認識を考えてみようと思う。
アラビア数字の5は、
1〜9の数字の中でも現在の形に落ち着くまでの
中でその姿を大きく変えてきた数字のひとつのようだ。
角の数で表す説も5の変遷を見るとその真偽が怪しくなってくる。
アラビア数字の起源とも言われ、
インドで実際に使われるテーヴァナーガーリー数字の形を
見ても、むしろアラビア数字の4に近い形をしている事がわかる。
0〜9の数字の形状を表にまとめたものがあったので
リンクを貼っておく。
この表の中にあるアラビア・インド数字とペルシア数字の
5の形を見ると、むしろ0よりも5の方が現在の
0に近い形をしていることがわかる。
そして不思議なことに、5を中心として1〜4、6〜9が
線対称に近い形をしているように見えてくる。
真偽は定かではないが、アラビア・インド数字とペルシア数字に
おいては、数えの基準が10刻みではなく5刻みで
考えられていた可能性があるのではないか。
ある意味、5は1〜10の中の折り返し地点のような感覚である。
おそらく、10進法が取り入れられる過程で、
0と5を中心に置く考え方ではなく10を底とする位取りを
意識するために1〜10の数字の図形的な形状にも
変化をつける必要性が出てきたか、
地域によって違った考え方が一つの考え方に
集約されていった可能性もあるのではないか。
最も違和感があるのは、元々0の概念を生み出した
インドの数字ではなく、そこから発展したアラビア数字が
世界で多く使われるようになったことかもしれない。
2015.08.14
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