ぼんやりとシルエットで表現した
視覚的な記憶の中の4と、
極力単純な図形で示した4に近い
プロポーションの間から、
4という数字の記号認識を考えてみようと思う。
4は、4つの角を持つアラビア数字だが、
ひとつ気になるのは左側に角を作った理由である。
4つの角があればいいのであれば、
右側に角を作っても良かったのではないか。
ローマ数字の4はいたって明快で、
Ⅴよりも数えで1つ前のため、
左から並べて行くルールの中で、Ⅳの
表記にたどり着いたと考えられる。
もしかすると、アラビア数字もローマ数字と同じ感覚で
左から順に並べて行った時に、次の5とのバランスで
左側に角を作ったといういたって造形的なバランスによる
判断だった可能性も大いにあり得るだろう。
そして、このアラビア数字の規則性は、
4から少し破綻してくる部分もある。
現在の算用数字の4は横棒が右側に突き出しているが、
角の数理論の場合、ここが飛び出すと
角の数が6になってしまい成立しないのである。
歴史の中で文字のデザインが変化してきた可能性はあるが、
同時に全く違うルールで作られている可能性も
否定できなくなったとも言えるだろう。
数字も最初は数を数えるという目的を達成できれば良かった
だけかもしれないが、やはり記号としてある造形的な
美を持ち合わせることで、世界がより豊かになると人類の
祖先が考えたことは間違いない。
おそらく、先人はルールだけでできた記号は物足りないと感じたのだろう。
その産物に最初から親しむ我々は無意識にそれを使うだけでもいいが、
その成り立ちに興味を持つことで、
また新しい発見や欲求が生まれてくるのかもしれない。
2015.08.13
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