四角い形を何個か積み上げると、
シャンプーの詰め替え瓶のようなシルエットになったので
ノズルの先端をつけてみた。
シャンプーなどの液体を詰め替えて使用するための
道具をディスペンサーと呼ぶが、
わざわざこの容器に詰め替えて使う最も大きな理由は
室内空間をよりシンプルで見栄え良くするためだろう。
同じシャンプーでも、メーカー名や商品名が大きく印字してあり、
色がガチャガチャしているものが置いてあるよりも、
詰め替え用のものを買ってきて、シンプルなディスペンサーに
詰め替えて使用すると非常にすっきりする。
それは、何のシャンプーを使うのかということよりも、
どういう空間で、どういう気分で使うかの方が
日常生活においては重要であるという価値観が
生活者に定着しつつあるからではないか。
これは何であるという説明が必要ない状況においては、
いかに主張をせずに、ただその空間にあるかが
重要になるということだろう。
洗面所には、ハンドソープがありシャンプーはない。
それが必然であるから成立するデザインもある。
逆に言えば、風呂場のディスペンサーを押したら
醤油が出てきた日には大変なことになる。
それは、暗黙知を逆手に取ったデザインにおいて、
あってはならないことのひとつかもしれない。
デザインは簡素な方がいいと思うが、
使う人がそれを欲していないと、ただの使いづらいものになってしまう。
デザインがデザインとして先に行ってしまわずに、
そこに使う人の欲求が沿っていることが、
日常の中にあるデザインにおいては非常に重要なのだろう。
2015.07.12
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