先端の尖ったシンメトリーな棒を描くと
岬の先端にある灯台のように見えてきたので、
そこから発せられる光の筋を走らせた。
灯台のイメージは非常にシンボリックなものです。
海上を運航する船から見た海の標識でもある灯台は、
今でこそ完全に無人になり、陸地の先端に立つその姿は
ある種の情緒すら感じさせる。
世界の灯台の歴史は古く、最古のものは
紀元前279年にエジプトのアレキサンドリア港の入り口、
ファロス島に建てられたファロス灯台と言われている。
20年かけて建設され、
当時135メートルもあったとされるこのファロス灯台は、
1477年に地震で全壊するまでの間建っていたとされ、
エジプトのピラミッドと並んで世界の七不思議のひとつになっているそうだ。
日本では、今から1300年ほど前に、灯台の原型として
天皇の遣いで唐に渡った船が戻る際の目印として、
昼は煙を上げ、夜は火を燃やしたのが初めとされ、
日本の灯台文化は海外よりも遥かに遅れていたことが伺える。
江戸時代になると日本式の灯台として、
「かがり屋」「灯明台」と呼ばれる
小屋を建てて、その中で木を燃やすようにはなったものの、
そんな灯台文化が遅れた日本を訪れる諸外国からは、
日本の海はダーク・シーと呼ばれていたという。
今では海上保安庁の管轄になり、すっかり日本の灯台も
世界に引けを取らないものになっている。
ちなみに、11月1日は日本の灯台記念日に制定されているらしい。
こんなにキリのいい日付は、何か他の記念日になってもいい
くらいだとも思うが、記念日を設けているということは、
日本人の頭の中で灯台の姿が象徴的かつ重要なポジションに
いるということなのかもしれない。
2015.07.16
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