特徴的な屋根のような図形が描けた。
それは、神社建築に見られる屋根の先端の形に見えてきた。
この屋根の交差した先端部分の形は、
伊勢神宮などの神社建築に代表され、千木(ちぎ)と呼ばれる。
元は、屋根を建造する際に木材2本を交叉させて結びつけ、
先端を切り揃えずにそのままにした名残りだという。
この部分は、鰹木という水平に置かれる部材とともに、
本来は建物の補強のために造られたのが始まりのようだ。
今では、置千木といって、屋根のに飛び出た千木の部分だけを
装飾として置くことも多くあるようだ。
また、千木は祀られているのが男神の場合と女神の場合で
先端の削ぎ方が違っているという。
男神の場合は外削ぎ(先端が地面に対し垂直になるように削ぐ)、
女神の場合は内削ぎ(水平に削る)といった処理が施される。
基本はそのようになっていつつ、
伊勢神宮においては内宮と外宮で両方女神を祀っているが、
内宮は内削ぎ10本、外宮は外削ぎ9本が建築に施されているそうだ。
おそらく、物理的な性別で分けられた男女神の違いではなく、
概念的な性質や、内と外のバランスなど、
それ以外の要素も相まってこの構成になっているのではないかと思う。
以外と形式的には割り振れない世界がそこにはありそうだ。
古来から建築物の一部に、こういった形で
ある記号的な意味が込められてきたことを考えると、
そこには明らかに、未来へのメッセージが込められていたと
考えるのが妥当ではないだろうか。
2015.06.12
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