そろそろ蚊の季節だと思いながら
渦を描いていると、それは蚊取線香にしか
見えなくなってきた。
香取線香は、線香に除虫菊(シロバナムシヨケギク)
の成分を練りこんだものを言う。
ピレトリンやピレスロイドと呼ばれる成分が、
殺虫効果があり、一般的にこの用途でしようされるようになったそうだ。
てっきり、蚊取線香の煙によって殺虫すると思っていたが、
実際には燃焼部分の手前で高温により揮発する
科学物質(ピレスロイド)に殺虫成分があるようだ。
これだけ渦巻きのイメージが強い香取線香だが、
大日本除虫菊の創業者、上山英一郎氏は
当初は棒状の蚊取線香に除虫菊を練り込んだものを考案するが、
棒状のため、燃焼時間が短いのが難点であったそうだ。
現在一般的に流通している渦巻き型の蚊取線香が
出来上がったのは1895年であり、
これは上山氏の妻の発案であったという。
燃焼時間を長くさせる画期的なアイデアを出したのが
上山氏の妻だったということには、正直驚いた。
そんな渦巻きの蚊取線香は解きほぐすと75cmあり、
燃焼時間は約7時間で、人間の睡眠時間に合わせられている。
我々の生活の中には、渦巻きの記号が結構いろいろ溢れている。
その中でも蚊取線香は、知名度とそのデザインとしての
完成度といった観点から、「ベスト・オブ・渦巻」と言っても
過言ではないのかもしれない。
2015.06.10
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