ジグザクに並んだ白い矩形は、
神社の木に巻かれた注連縄に垂れ下がる
紙垂のようだった。
「しで」という言葉は、「垂づ(しづ)」の連用形で、
「しだれる」と同根であるという。
4枚一組で垂らすのが基本だからか、
別名「四手」とも呼ばれるらしい。
祈りを支える神具としてデザインされているものだが、
その形は稲妻の形に非常に似ているのだ。
昔から、稲妻が落ちると稲が育って豊作になったことから
雷光、稲妻をイメージしたフォルムになり、
邪悪なものを追い払ったと考えられている。
こういった神具の形状ひとつとっても
そこにかなりの見立てが入っていることもわかる。
知らなかったのだが、紙垂の背景にある注連縄は
雷雲の形を模していて、そこから稲妻が落ちる様に
見立てたものだったという。
信仰の裏側にあるこういった見立ての記号性は、
時にかなり具体物の形状を模していることがある。
やはり当時はまだ偶像崇拝の名残が強かったことも
関係しているのかもしれない。
神具など、特に信仰の対象になり得るものは、
紙垂をはじめ、神鏡など、かなり分かりやすい
形を模しているものが多いように思う。
神鏡などはおそらく太陽か月をモチーフにしていることは、
あえて言うまでもないのだろう。
2015.06.09
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