一定のピッチで交差する線は、
きれいに身を食べ尽くされた魚の背骨のようでもあり、
傷口を縫合した跡にも見えてきた。
傷跡というのは、見ているだけで痛みや恐怖を感じさせる。
昔、指先をカッターでスパッと切ったことがあるが、
その傷跡はきれいに残り、いまでもそれを見ると
何となく傷口がうずいているような感覚になる。
傷には、怪我によってできた傷跡もあれば、
手術の切開によってできた傷跡もある。
どちらにしても、皮膚を切り裂く程のダメージを
元通りの状態に復帰するのは、
人間の細胞分裂による回復では限界があるのかもしれない。
知らなかったのだが、傷跡を残さないようにするには
負傷してから6時間の間の処置が重要なようだ。
流水で洗い流し傷口の異物を取り除き、
傷口を乾燥させないようにしておくのがいいという。
さらに、消毒をしないほうが傷跡が残りにくいという説もあり、
細胞をなるべく潤った状態で傷つけないでおくのがポイントのようだ。
傷の状態がひどい場合は、それこそ6時間以内に
医師の治療を受けるようにしたほうが良さそうだ。
傷跡は、別の見方をすれば身体に刻まれたその人の
戦いの証であり歴史でもある。
当然本人にしてみればその傷跡は、消せるなら消したいものかもしれないが、
他の人にはないそのアイデンティティーは、
ひょっとするとその人の魅力に変わることもあるのだろう。
2015.06.04
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