規則性のない有機的な線を描いた。
途中で二股に分かれたそのシルエットは、
砂漠にで生きる仙人掌のように見えたので、
その天辺に花を咲かせてみた。
仙人掌はとても沢山の種類がある植物である。
形も色もぜんぜん違う品種のものがここまである植物も珍しいかもしれない。
サボテンという名称は、19世紀後半に南蛮人が日本に
はじめて持ち込んだ際に、さぼてんの樹液で石鹸(シャボン)として
使っていたことから、石鹸体(さぼんてい)と呼ばれるように
なったという説が有力らしい。
ただ、石鹸体ではどんな植物か見当もつかなかったことから、
仙人掌や覇王樹といった当て字がされるようになったという。
また、サボテンといえば棘であるが、
個人的にはその無愛想な姿からは想像もできない
色鮮やかな花を咲かせる姿が最も印象的だと思う。
花の咲く時期は品種によってすべて異なり、
時系列に並べると、1年中サボテンの花は咲いているということになる。
鉢で栽培する場合でも、ある樹齢に達して、
適当な日光と水を与えていれば必ず花が咲くようだ。
そんなサボテンを、何も考えずにじっと見ていると、
茎や花の表情がどれを取っても非常にグラフィカルで
幾何学構成を見ているかのような感覚になるのである。
ガリレオ・ガリレイの有名な言葉に、
「自然という書物は、数学の言葉で書かれている。」というものがある。
まさに、サボテンのテクスチャーや、花の配置や色彩は
意図的にできるものではない、自然の中の幾何学が見せる
興味深いグラフィックパターンなのかもしれない。
2015.06.05
0 件のコメント:
コメントを投稿