少しつぶれた五角形を描くと、
神社に沢山ぶら下がっている絵馬の形に見えてきた。
絵馬は、神社や寺院に祈願するとき、
あるいは祈願が叶ったときに謝礼として奉納する
馬などの絵が描かれた木の板である。
奈良時代以前は、神の乗り物とされていた
生きた馬を神社に奉納していたようだが、
世話ができるできないなどの問題もあり、
平安時代以降に、代わりに木の板に画家が
馬の絵を描いて納めるようになったのが始まりだという。
なぜ五角形をしているのかと気になるが、
元々は家の形を表していて、上部に屋根を模したものも
ついていたようだ。
おそらく、馬を社に納めるという行為自体の
メタファーとしてデザインされた形がこの形だったのだろう。
時代の変化とともにその様式は多様性を帯び、
今日では受験生の必勝祈願の絵馬が御守り代わりになったり、
絵馬に描かれる内容も、馬以外のものも沢山ある。
ある意味、アート性すら帯びた神様との
コミュニケーションツールへと進化している。
神社寺院に関わる縁起物は、時に信仰とまでは
いかないレベルの感覚で我々の生活に入り込んでいる。
そこには信仰と引き換えに受け取る宗教の束縛ではなく、
広く我々の気持ちを受け止める日本の宗教ならではの、
おおらかさがあるのかもしれない。
2015.05.28
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