3つの連なる曲線をを描くと、
日本の家の上に乗っている瓦屋根か、
あるいはどこまでも続く波のように見えてきた。
瓦は日本の屋根には欠かせないものであり、
その施工技術は職人の技術として受け継がれていて、
敷くでもなく、並べるでもなく、
「葺く」という独自の動詞で表現される。
瓦の葺かれた屋根は、瓦葺、甍などと呼ばれる。
一般的に瓦と呼ばれているものにも、
材質によっての違い、形状によっての違いで様々な種類がある。
最も一般的な材質は、粘土瓦と呼ばれるもので、
そのほかにも、金属、セメント、ガラス、石といった
材質のものが存在し、その形状は
ここで語りきれないほど多様である。
日本に瓦が伝わったのは今から1400年前の飛鳥時代とされ、
仏教伝来とともに、瓦の歴史が始まったようだ。
その後約1000年は、神社仏閣、城郭や公家、武家屋敷など、
限られた特権階級の建築にのみ瓦が使用され、
一般の民家に瓦屋根が推奨されるようになったのは、
江戸時代以降のようだ。
古くは、紀元前2000年頃から中国には存在していたとされる
瓦の語源を少し調べてみると、
古代インドのサンスクリット語で、「覆う、頭蓋骨」を
意味するカパーラという言葉が語源という説がある。
建築物を龍の鱗のように硬い鎧で守ってきた瓦という存在には、
本質的に「守る」というDNAが受け継がれて
きているのかもしれない。
一度、瓦を葺き替える時に瓦屋根に登った時に、
連綿と続く瓦を眺めていると、まるで大きな龍の背中に
乗っているような感覚になったのは、
あながち間違いではないのかもしれない。
2015.05.29
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