シンメトリーな扇型を描くと、
竹の骨を感じさせて扇子にしてみたくなった。
扇子は古くは扇(おうぎ)と呼ばれることが一般的であったという。
おうぎの語源は「あふぐ(扇ぐ)」の派生系の「あふぎ」であると、
ウィキペディアに書いてあったが、以外と知らなかった。
扇の用途は非常に多岐に渡り、とても興味深いものである。
扇子として風を送ったり扇いだりする以外にも、
礼儀として笑う時に歯が見えないように隠したり、
正月に白扇を送ったり、貴族の贈答品としても知られる。
その他にも、能楽・狂言の舞台上でも演者がそれぞれの流派で
決められた扇子を持っている。
日本舞踏、歌舞伎、落語などの諸芸道においても、
扇子は様々なものに見立てて使用される。
落語でうどん・蕎麦を食べる仕草をするときに、
畳んだ状態の扇子を箸に見立てて使うのは非常に象徴的である。
遡れば扇は、薄い檜の板を重ねて作られた檜扇というもので、
メモ帳として何かを書きつけるものであったという。
ひょっとすると、何かをそこに見立てるという行為の
原型は、そんなところにあるのかもしれない。
最近妙に扇子が気になるのだが、
この日本人の究極の見立て道具をどう扱うかは非常に奥深く、
それこそ、その人の日本人としてのセンスが問われるのだろう。
2015.05.22
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