巻貝のような同心円の集積した形が描けた。
それは昔の日本のメジャーな子供の遊び道具だった
独楽のようにも見えてきたので、独楽貝と名付けた。
まず、コマという名称の漢字表記がおもしろい。
独り遊びの大発明ということか。
独楽は、日本だけでなく世界中で独自の進化をとげ、
子供の玩具から大人の賭けごとまで
幅広く愛されるプロダクトである。
紐で回すものや、手で軸を中心に回すものまで
その様式はさまざまあるが、
どれも共通して、遠心力と重力を利用した
シンプルだが奥の深い遊びだということである。
もちろん、2つ以上の独楽をぶつけ合って
独遊び王決定戦をすることもあるが、
醍醐味はやはり一人でその技術のバランス感覚を
極めていく時間にあるのだろう。
その形状が巻貝にしていることが気になり少し調べてみると
江戸時代には子供たちが小さな巻貝を加工して作った独楽で
遊んでいたことが伝えられていて、
それが所謂ベーゴマの原型になったという。
これは、自然の造形から遊びを導き出していたという
プリミティブな遊びのお手本と言えるのではないか。
ぐるぐる回る独楽を見ていると自ずと意識が1点に集中する。
この集中力はある意味集中しているようでその時間に
身を任せているような感覚なのではないかと思う。
これは瞑想のような感覚にどこか通じる、
超個人的な時間軸という現代に生きる我々がなかなか
味わえなくなったものなのかもしれないと思う。
2015.04.06
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