横線と縦線をなんとなく規則的に並べていると、
大地とそこから生い茂る草のように見えた。
同時に、左右に対になる形は
仲睦まじい男女の姿のようでもある。
豊穣という言葉があるが、
五穀豊穣というように作物の豊作を意味するこの言葉は、
古くは男女の結びつきによる子孫繁栄への強い願いに
端を発するものだったようだ。
こういった系譜は、
縄文時代の遺跡から出土した土器のディテールなどからも
読み解くことができるようだ。
当時、「蛇」は雄そのものを象徴していて、
蛇頭把手と呼ばれるある土器の取手部分は、
蛇の頭の部分を人間の陰茎に見立てて表現していて、
蛇は全雄を表すとともに、力を表す性の神だともいう。
彼らは種全体に宿る精霊性を表現するために、
あえてこういった抽象的な表現をしていたようだ。
縄文土器の図像にまつわる話が面白くまとまった
サイトがあったのでリンクを貼っておく。
こういった、言葉と図像の根源的な結びつきは
我々が知らないだけで沢山存在している。
きっとそれは、人生にイメージの豊穣をもたらしてくれる
古来からの暗号なのかもしれない。
2015.03.16
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