ゆるやかに彎曲した、刀のようなシルエットに、
その切れ味でパックリ半月型に割れた図形を配してみた。
半月切りという野菜の切り方や、
半月刀という名称があるように、刀と半月は
記号として相性のいい関係にある。
また、半月刀と呼ばれる刀も存在していて、
それはペルシア語でSHAMSHIRというらしい。
わずかに湾曲した刀の総称として呼ばれるようだが、
勝手なイメージだが、語感がなんだかエキゾチックで
月というシンボリックな存在と相性がいい気がした。
月というのは、太陽暦にのっとて生活をする我々にとって
切っても切れない関係である。
暦の1月や2月、一月、半月と時間を表す単位としても
当たり前に使っているが元々は月の満ち欠けから
計算していたと思うと、なかなか無視できない。
そして月は、宗教的なシンボルとしての役割を果たすことも多く、
イスラム教国の国旗のモチーフとして使用されている。
イスラム圏では、赤新月が赤十字の意味をもつという。
密教系の仏教においても、両界曼荼羅というものがあり、
金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅のうち、金剛界曼荼羅には
白い円が幾何学模様の様に配置されていて、
それぞれが知恵を象徴する満月輪である。
もっと古くは世界の古代文明において、
地上のあらゆる生命を育む大地母神、豊饒の源として崇拝されていたという。
調べてみると、割とどの宗教も月神信仰の傾向があった時代が、
少なからずあったことがわかる。
日本人の信仰心が希薄になって久しい日本だが、
身近なところにある強い記号の由来を遡ってみると、
信仰というもの本来の姿であったり、
知らなかった事実や新しい発見が眠っているのだろう。
2015.02.11
0 件のコメント:
コメントを投稿