泡のように捉えどころのないシルエットの中に、
半月型の穴が開いてしまった。
しばらく眺めていると、笑っているように感じてきた。
あ、これはビールを飲んで微笑んでいる男の口元で
そのクリーミーな泡が口の周りに
まとわりついているところかもしれないと思い、
麦酒色の背景にして、髪の毛のようなシルエットを乗っけたら
ますますそんな風に見えてきた。
そう、これはBEER BEARである。
絵の具体性とそこから発展する想像力の幅は
反比例するのかもしれないと思う。
目の前にある図像が既視感のあるものであればあるほど、
我々の脳は定義を急いでしまうのかも知れない。
逆にこれ何なの的なものを前にすると、
必死で考えて妄想したり仮説を立てたりする。
それは未知の領域ゆえに、可能性も秘めているのだろう。
このブログを続けていて感じるのは、
一見捉えどころのない形から発展して形にしたものの方が、
興味深く、魅力的である。
その生成過程は、全くもって恣意的なふるまいであるにも関わらず、
意図的には生み出せない結果がそこに現れることの喜びが勝る。
なんというか、脳が笑っている感じがするのである。
ただでさえ色々なことに縛られている我々の脳だとすると、
一度自由に感じることを許された脳は、水を得た魚のように泳ぎだす。
きっとそこには、恥ずかしさや見栄といった天敵はいない。
2015.02.23
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