耳という器官の外側に見えている形、
一般的に耳界と呼ばれる器官に似た図像。
耳は人間の5感を司る器官のひとつ。
その記号性は、たいがいその表層にすぎない
身体の外側に現れる形で捉えられている。
しかし、その本来の機能と姿は
外側からは捉えることのできない内側に存在している。
耳の主な機能が、音の振動を傍受することは
周知の事実なので、その内側への意識の誘導のために、
音の振動をイメージした連続する円弧を配してみた。
外耳道や鼓膜といった器官の名称は、よく知られている。
また、耳のもうひとつの大きな機能として、平行覚や回転覚を
司どっていることも知られている。
三半規管と総称されるそれがこの役割を果たすわけだが、
この器官の形状たるや摩訶不思議の極みである。
複雑に入り組んだ管の奥に、蝸牛と呼ばれる
カタツムリそっくりの器官が存在する。
英名ではラビリンスと呼ばれるらしく、
まさに身体の不思議の迷宮への入り口である。
半円型の3つのチューブ状の器官からなることから、
この名称がついたそうだが、この器官で
三次元のx軸y軸z軸を把握し、空間認知を行う。
視覚による空間認知よりも、より身体的な
重力の把握を行っているとも言える。
この小さな器官で、惑星規模の重力を感じ、
空間認知を行うなど、考えれば考えるほど、
色々わからなくなってくる。
2015.01.26
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