WAGOMU-このブログについて-


WAGOMUというのは、「和」と「和む(なごむ)」から創った造語に、「輪ゴム」という括る対象によってその形状を柔軟に変化させることのできる図像の記号性を与えたものです。このブログは、2009年から「瞑想」というキーワードと向き合いながら広告会社でデザインをしている自分から生まれた造形に言語的アプローチで再解釈を与えることを目的に2015年の年頭にはじめました。
実家が、高野山真言宗という密教系の宗派のお寺であることから、美術大学の卒業製作のテーマとして「阿字観」という瞑想に出会いました。密教では阿字(大日如来を表すサンスクリット文字)と対峙しながら瞑想を行います。他の瞑想のスタイルにおいても、何か1つの対象や動作に意識を集中することで、瞑想を体得するものが多いのです。インターネット社会になり、SNSのタイムラインのようにどんどん流れていく情報が増え、多次元的に脳に取り込む情報の量が日々増えていくようになって久しい現代社会において、グラフィックが「瞑想」と同じような効果を人間の脳に与えることができるのではないか。それが私のコンセプトです。
しかし、このテーマを持ちながらデザインをする自分自身が日々の生活や仕事の中での大量の雑多な情報のインプットによって、1つの図像から受け取るインスピレーションの感度や、表現力が劣化しているのではないかという懸念が生まれました。そこで、図像に対しての感度を鈍らせないために、画材を制限したドローイングと、そこから見出した自分自身の思考の軌跡をブログという形で残すことにしました。ブログを書きついでに瞑想しようというわけです。日によっては更新できない日もあるでしょうが、基本的に1日1投稿を目標に続けていきたいと思っています。2015.01.03

2015/01/26

耳迷宮 / EAR LABYLINTH



耳という器官の外側に見えている形、
一般的に耳界と呼ばれる器官に似た図像。
耳は人間の5感を司る器官のひとつ。
その記号性は、たいがいその表層にすぎない
身体の外側に現れる形で捉えられている。
しかし、その本来の機能と姿は
外側からは捉えることのできない内側に存在している。
耳の主な機能が、音の振動を傍受することは
周知の事実なので、その内側への意識の誘導のために、
音の振動をイメージした連続する円弧を配してみた。

外耳道や鼓膜といった器官の名称は、よく知られている。
また、耳のもうひとつの大きな機能として、平行覚や回転覚を
司どっていることも知られている。
三半規管と総称されるそれがこの役割を果たすわけだが、
この器官の形状たるや摩訶不思議の極みである。
複雑に入り組んだ管の奥に、蝸牛と呼ばれる
カタツムリそっくりの器官が存在する。
英名ではラビリンスと呼ばれるらしく、
まさに身体の不思議の迷宮への入り口である。
半円型の3つのチューブ状の器官からなることから、
この名称がついたそうだが、この器官で
三次元のx軸y軸z軸を把握し、空間認知を行う。
視覚による空間認知よりも、より身体的な
重力の把握を行っているとも言える。
この小さな器官で、惑星規模の重力を感じ、
空間認知を行うなど、考えれば考えるほど、
色々わからなくなってくる。
2015.01.26


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