連続した膨らみのある棒のような形。
芋虫のようにも見えるこの図像をしばらく眺めているうちに、
ある食べ物を思い出した。
味はいたってシンプルなビスケットのような味で、
特徴といえばその形状と一度聞いたら忘れない名前の
ギンビスのアスパラガスというお菓子である。
それに見えたらもうそれにしか見えない。
このお菓子のもう1つの特徴である胡麻粒と、その焦げ茶色の色彩を
コンポジットしてみることにした。
それは、アスパラガスというお菓子を説明するものではなく、
感覚的にそれにまつわる記憶を呼び覚ますような記号的な図像になった。
そもそもなぜあのお菓子はアスパラガスという名前になったのだろう。
素直に考えると棒状のフォルムが似ているからだろうが、
ディテールは全くその容姿に共通性を持たない。
気になって調べてみると、予想に反してそれは形状の類似に
起因するものであった。また、発売当時である40年前は、
野菜のアスパラガスがまだ高価だったことから、
それをビスケットという形で気軽に食べられるようにしたようです。
特にアスパラガスの成分が入っているわけではなく、
当時は機械ではなく手作りで、今よりもそのフォルムが
よりアスパラガスに似ていたと聞いて納得できた。
このことに関して面白くまとめているブログがあったので、リンクを貼っておく。
そのものの持つ記号性は、時間を経てとりまく環境が変化することによって
常に変化し続けることがこの例からもよく分かった。発売当時の話を受け、
このアスパラガスの名称と形状の関係は、非常に記号論的な思考展開の中から
生まれてきたものだと言えるだろう。
2015.01.27
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