2本の縦線の間に、
横棒を何本か渡してみると
天に向かって登る梯子に見えてきた。
梯子は、天に向かうように
上に向かっていくための用途の他にも、
梯子酒というように何軒も横に店を移って飲む時にも使われる。
つまり、横にも縦にも梯子を渡していくことが
できるということである。
横に梯子する分には全く問題ないのだが、
上に向かって登って行く際には、その梯子が
何かの拍子に外れて、真っ逆さまに落ちてしまうリスクも
孕んでいるのではないか。
梯子を外されるなどという表現があるが、
まさに1本の梯子を伝って一段一段真っ直ぐ
登っていくことだけに集中しすぎると、悪意のある
悪戯によって足元をすくわれて、致命傷を負いかねない。
そうならないためにできることはあるのだろうか?
梯という漢字には、「低いところから登るための木製のはしご」
という意味があるようだが、本来は架け橋的な意味合いだったものが
梯子になった瞬間に上へ無限に伸びるようになったのだろう。
その証拠に、はしごの「はし」はもともと橋と同源の「階」で、
離れたところを掛け渡すものの意であり、
昔から階段の一段を「はしのこ」と呼ぶこともあるようだ。
そう考えると、階段には存在して梯子にはないものが
あることに気づいた。「踊り場」である。
高いところを目指して梯子を使って登る時にも
途中で踊り場を設けて登っていくことで、
梯子を外された際のリスクを抑えられるのではないか。
月まで登っていくときは、
雲を踊り場にして登っていけるのかもしれない。
2015.08.07
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