横に2本、縦に2本の線を引くと、
神社や寺の境内にある鳥居の形になった。
鳥居には様々な形や色があるため、
これを鳥居の形と言えるのかは定かではないが、
主に地図上で神社を表す記号として使用されているのはこの形である。
今では神社のシンボルというイメージが強いが、
神仏習合の時代には仏教寺院にも鳥居が設けられたようだ。
鳥居と言われると何色をイメージするだろうか?
伊勢神宮や出雲大社などの大きな神社の鳥居は
白木で作られた無彩色系なのに対し、
京都の伏見稲荷や、街中で見かける小さな神社では、
鮮やかな朱色の鳥居を設けている場所も多い。
諸説あるようだが、朱色という色はもともと仏教から
伝わってきた色であり、本来神社の色は神聖な意味を持つ
白木だったという説がある。
神仏習合を経て、江戸時代にまた神仏分離の時代になり
その後建てられた神仏分離派の神社には、白木や石が
使われているという説があるという。
では、赤い鳥居を設けている神社はなぜその色にしているのか。
鳥居は神聖な場所との結界の意味があるため、魔除けの色と
される朱色を使っているという説や、
防腐剤や虫除けの役割を果たす赤い水銀塗料を使用しているために
その色が朱色になったという説もある。
伏見稲荷などは、赤い鳥居が千本並ぶことで、
赤ちゃんが通って出てくる胎道を表しているとも言われているそうだ。
鳥居というシンボリックな形から受ける印象は
人それぞれ違うとは思うが、その記号がもつ背景には
日本の宗教観と深く関係する歴史があることを知ると、
鳥居のくぐり方もまた一味変わってくるのかもしれない。
2015.07.09
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