WAGOMU-このブログについて-


WAGOMUというのは、「和」と「和む(なごむ)」から創った造語に、「輪ゴム」という括る対象によってその形状を柔軟に変化させることのできる図像の記号性を与えたものです。このブログは、2009年から「瞑想」というキーワードと向き合いながら広告会社でデザインをしている自分から生まれた造形に言語的アプローチで再解釈を与えることを目的に2015年の年頭にはじめました。
実家が、高野山真言宗という密教系の宗派のお寺であることから、美術大学の卒業製作のテーマとして「阿字観」という瞑想に出会いました。密教では阿字(大日如来を表すサンスクリット文字)と対峙しながら瞑想を行います。他の瞑想のスタイルにおいても、何か1つの対象や動作に意識を集中することで、瞑想を体得するものが多いのです。インターネット社会になり、SNSのタイムラインのようにどんどん流れていく情報が増え、多次元的に脳に取り込む情報の量が日々増えていくようになって久しい現代社会において、グラフィックが「瞑想」と同じような効果を人間の脳に与えることができるのではないか。それが私のコンセプトです。
しかし、このテーマを持ちながらデザインをする自分自身が日々の生活や仕事の中での大量の雑多な情報のインプットによって、1つの図像から受け取るインスピレーションの感度や、表現力が劣化しているのではないかという懸念が生まれました。そこで、図像に対しての感度を鈍らせないために、画材を制限したドローイングと、そこから見出した自分自身の思考の軌跡をブログという形で残すことにしました。ブログを書きついでに瞑想しようというわけです。日によっては更新できない日もあるでしょうが、基本的に1日1投稿を目標に続けていきたいと思っています。2015.01.03

2015/07/03

積消波 / TETRAPOD



三又に分かれたシルエットは、
海岸線などに大量に置かれている
テトラポッドのようなシルエットになった。

テトラポッドは海岸線の侵食を防ぐために
4本足の大型ブロックを組み合わせて置くことで
波による海岸へのダメージの緩衝材になるものである。
知らなかったのだが、テトラポットは全て
不動テトラという日本の企業が専売特許を持っているという。
そして全て型のレンタルで数種類ある大きさの中から適したものを選び、
注文した後に、コンクリート詰めは注文した側が自社で行うというのだ。
まったく知らなかった発注過程で、驚いた。
三角形は最も安定した幾何図形と言われるように、
場所によっては夥しい数のテトラポットが
幾何学的に見事に組み上げられている場所もある。
また、環境面へのいい影響もあるようで、
設置された周辺の海中で生態系が育まれるのだ。
テトラポッドの周りには、これ自体が漁礁になるため、
魚の稚魚が集まりやすく、釣り人にとっては
格好の釣りポイントになることもあるようだ。
そんな話を聞いていると、魚も人も集まるこのコンクリートの塊が、
なんだかとてもいいやつに思えてきた。
テトラポット型のぬいぐるみが存在するらしく、
それを面白く紹介している記事があったのでリンクを貼っておく。

長い年月が経過して仮に人類がこの地球上から消えた後、
残されたこのテトラポットを見て
次の生命体は何を思うのだろうか。
2015.07.03





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