なんとなく人の顔の骨格を意識して、
目、鼻、口を描くように筆を運ぶと
人間の頭蓋骨のシルエットが浮かび上がった。
頭蓋骨のイメージというのは、
その専門家でもない限りは所謂ドクロマーク的な
記号性で統一されると思う。
肉や皮がモデリングされた実際の人間の顔にならないと、
我々がその特徴を的確に見分けるのは難しいだろう。
内臓と同じように、それだけ普段の生活では目にしない、
目にみえない部分の話であるということである。
専門分野においては復顔法と呼ばれる技術があり、
頭蓋骨の形状や特徴から、その人間の生前の顔を
復元するものである。CGの技術なども相まって、
最近ではかなり精密に顔が再現されている事例も多く、
最新の復元技術をもとに再現した古代人は、
かなりのイケメンだったという説もあるが、
実際のところその顔にどこまで信憑性があるかは
正確に数字化できないのが現状だろう。
少し前に、恐竜時代のティラノサウルスの姿が
いままで思われてきた姿と全然違うものだったという記事を読んだ。
それは、すべての恐竜の全身に毛が生えていたというものだ。
カバの頭蓋骨の凶暴そうな印象と、あの肉のついた実際の見た目の印象が全然違う。
仮に、ここまでの誤差が生じるとすると、
特に誰も実際に姿形を見たことのない恐竜などでは
骨からの復元というのは、かなり難しいと言えるのではないか。
今後、復元技術はさらに進化していくが
頭蓋骨の記号性と、生きた人間の顔の記号性が
様々な観点から本当ににしっくりくることはあるのだろうか。
2015.07.01
0 件のコメント:
コメントを投稿