下が均等に膨らんだシルエットを描くと、
日本酒や醤油などを入れる規格の
一升瓶のように寸胴な瓶の印象になった。
一升瓶は日本独特の規格で、
その容量は約1.8リットルである。
一般的に見慣れた720mlなどのワイン瓶などに比べると
だいぶ大きな印象がするこの瓶は、
もともとリターナブル瓶としてデザインされていることもあり、
瓶を販売店に持って行って返すと10円程度の
返還金がもらえることが今でも多いようだ。
そして、どこか懐かしい感じがするのは何故だろうか。
一升瓶が出現する前の日本の容器の主流は、
徳利と木樽だったようで、明治後半に経済の発展とともに
人口が増えたことにより、一升瓶も増え、大正時代の
第1次世界大戦時において、ヨーロッパへの輸出のために
機械吹きの技術を開発したことで、
一気に一升瓶の生産量が増えたのだという。
その後一度、関東大震災によって人口吹きの一升瓶が
大量に消失したことによって、王冠つきの一升瓶が一気に普及したそうだ。
その後、昭和の戦時中の空襲などで、
また多くの一升瓶を失うことになったというのだから、
一升瓶の歴史は一筋縄では語れないほど、
太く濃いものであることが伺える。
現在では、核家族化の進んだ家庭においては、
少しお大きすぎるという存在になってしまっているため、
なかなか都会の一般家庭における一升瓶の復権は
難しくなってきているのかもしれないが、
ここまで何度も復活を成功させてきた一升瓶のことだから、
何か別の価値を提供するように進化していくのかもしれない。
2015.06.28
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