WAGOMU-このブログについて-


WAGOMUというのは、「和」と「和む(なごむ)」から創った造語に、「輪ゴム」という括る対象によってその形状を柔軟に変化させることのできる図像の記号性を与えたものです。このブログは、2009年から「瞑想」というキーワードと向き合いながら広告会社でデザインをしている自分から生まれた造形に言語的アプローチで再解釈を与えることを目的に2015年の年頭にはじめました。
実家が、高野山真言宗という密教系の宗派のお寺であることから、美術大学の卒業製作のテーマとして「阿字観」という瞑想に出会いました。密教では阿字(大日如来を表すサンスクリット文字)と対峙しながら瞑想を行います。他の瞑想のスタイルにおいても、何か1つの対象や動作に意識を集中することで、瞑想を体得するものが多いのです。インターネット社会になり、SNSのタイムラインのようにどんどん流れていく情報が増え、多次元的に脳に取り込む情報の量が日々増えていくようになって久しい現代社会において、グラフィックが「瞑想」と同じような効果を人間の脳に与えることができるのではないか。それが私のコンセプトです。
しかし、このテーマを持ちながらデザインをする自分自身が日々の生活や仕事の中での大量の雑多な情報のインプットによって、1つの図像から受け取るインスピレーションの感度や、表現力が劣化しているのではないかという懸念が生まれました。そこで、図像に対しての感度を鈍らせないために、画材を制限したドローイングと、そこから見出した自分自身の思考の軌跡をブログという形で残すことにしました。ブログを書きついでに瞑想しようというわけです。日によっては更新できない日もあるでしょうが、基本的に1日1投稿を目標に続けていきたいと思っています。2015.01.03

2015/06/28

一升瓶 / SHO BOTTLE



下が均等に膨らんだシルエットを描くと、
日本酒や醤油などを入れる規格の
一升瓶のように寸胴な瓶の印象になった。

一升瓶は日本独特の規格で、
その容量は約1.8リットルである。
一般的に見慣れた720mlなどのワイン瓶などに比べると
だいぶ大きな印象がするこの瓶は、
もともとリターナブル瓶としてデザインされていることもあり、
瓶を販売店に持って行って返すと10円程度の
返還金がもらえることが今でも多いようだ。
そして、どこか懐かしい感じがするのは何故だろうか。
一升瓶が出現する前の日本の容器の主流は、
徳利と木樽だったようで、明治後半に経済の発展とともに
人口が増えたことにより、一升瓶も増え、大正時代の
第1次世界大戦時において、ヨーロッパへの輸出のために
機械吹きの技術を開発したことで、
一気に一升瓶の生産量が増えたのだという。
その後一度、関東大震災によって人口吹きの一升瓶が
大量に消失したことによって、王冠つきの一升瓶が一気に普及したそうだ。
その後、昭和の戦時中の空襲などで、
また多くの一升瓶を失うことになったというのだから、
一升瓶の歴史は一筋縄では語れないほど、
太く濃いものであることが伺える。

現在では、核家族化の進んだ家庭においては、
少しお大きすぎるという存在になってしまっているため、
なかなか都会の一般家庭における一升瓶の復権は
難しくなってきているのかもしれないが、
ここまで何度も復活を成功させてきた一升瓶のことだから、
何か別の価値を提供するように進化していくのかもしれない。
2015.06.28








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