半月型の図形からひょろっと延びた線。
どこかで見たことがあると思ったら、
生きた化石と言われる兜蟹に見えてきた。
兜蟹は、古代からその姿を変えない
稀有な存在として科学研究の分野などで重宝されている。
甲羅の上に単眼と複眼が2つずつあることは知らなかった。
英語名を調べると、HOURSESHOE CRABといって、
馬蹄の形にも似ていることにも気づかされた。
その兜蟹の個体数は年々減っていて、
絶滅危惧種にも指定されている。
日本だと元は瀬戸内海に多く生息していたとされ、
食用になるわけでもなく、これといって我々の生活に
深く関わっている印象はない。
しかし、この兜蟹の青い血液が、
医療の現場で殺菌汚染試験に利用されるために、
アメリカなどで大量捕獲されて血液採取されていたことには驚いた。
人間と違って血中ヘモグロビンの代わりに
別の成分が含まれるために、非常に殺菌能力の高い青い血液になるのだ。
その血液を30%ほど採取した後にまた海に
還されるらしいが、そこで生き絶えてしまう個体も
少なからずいるそうだ。
古代から混じり気なく受け継がれてきた
美しい青い血液を、人間が汚すことのないように
気をつけてもらいたいものだ。
2015.05.12
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