古代の壁画に描かれているような
動物を簡略化したような図像が描けた。
なんだかよく分からないものを描いてしまったと思っていたら、
子供の頃によく砂を掘り返しては捕まえていた、
ウスバカゲロウの幼虫の蟻地獄に見えてきた。
子供の頃は無邪気に捕まえて遊んでいたこの蟻地獄が、
かなり恐ろしい捕食の仕方で獲物を食い散らしていたとは
僕は当時知らなかった。
擂鉢状の巣の底で砂に潜って獲物を待っているまではいい。
そこに獲物が落ちてくると、消化液を注入して
体組織を分解した上で口器から吸い取ってしまうというのだ。
そういえば、蟻地獄の巣の周りには
小さな虫の抜け殻のようなものがよく落ちていた。
あれが生気を吸い取られた獲物のミイラだったと思うと恐ろしい。
蟻地獄の毒はフグ毒の130倍というのだから、
相手が人間だと思うと驚異のエイリアンである。
また、蟻地獄は肛門を閉ざしていて、蛹になるまで一度も排泄を
しないとずうっと考えられてたらしい。
しかし、2010年に千葉県の小学生が、
蟻地獄のお尻から黄色い液体が出ることを発見し、
日本昆虫協会に報告したことから、それまでの学説が覆り、
この研究に対して協会から夏休み昆虫研究大賞が与えられたそうだ。
この小学生はまさに蟻地獄博士である。
最近は蟻地獄の巣が身近にない環境で生活をしているが、
好奇心が旺盛な子供の頃に反応するものには、
きっと何かがあるのだろう。
忘れた頃に、子供の頃好きだったものを思い返して
深堀りしてみるのもいいものだと思った。
2015.04.17
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