左右対象に三角形をラフに描くと、
ひらひらと羽ばたく蝶々のような形ができる。
1匹ではなく2匹描くことで、そのお互いの羽ばたきが
何らか干渉し合っているようにも見えてくる。
そして、この形はどこかで見たことがあると思うと、
いわゆる無限マーク(INFINITY RING)と似ていたのである。
蝶の羽ばたきの無限の連鎖ということが面白くなってきたので、
背景にも同じ図形を配してみた。
バタフライ効果という考え方がある。
蝶が羽ばたく程度の小さな撹乱であっても
遠くの地の気象に影響を及ぼすという面白い考え方だ。
この理論は、ニュートン力学のように、
物体の運動の法則を発見して将来の状態を予測するものと反するもので、
自然現象は時間の経過によってその状態を変えるという前提を持ち、
カオス理論の発見によって1つの説得力を持つことになった。
それまでニュートン力学的に、決定論的に予測されていたものでも
初期値のわずかな差が時間の経過とともに指数関数的に大きくなっていき、
将来の状態に無視できない大きな差が生まれることが分かったのである。
この考え方は非常に面白いと思うと同時に、テクノロジーが賞賛される
現代の風潮の中で、この考え方に基づくとどんなことが想像できるのか考えると、
少し面白くなってくる。ある意味、
計算できなことがあるというのは、すべてが計算できるようになる世界にとって
唯一の余白のようなものなのかもしれない。
日本語には、この考え方を逆手に取ったような
「一事が万事」ということわざがあるが、
自分の行動も先への影響を想像しながら決定していくと、
同じ時間を過ごしているなかでも、最終的に大きな差を生むのかもしれない。
2015.02.02
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