左右に開いた羽のような形が、何かが羽ばたいているように見えた。
その形の張りと対応するような青い三角形を組み合わせると、
羽ばたく青い鳥のようになった。
幸せの青い鳥は探しに行っても見つからない。
気づかないだけで、実はすぐそばにいるという
有名なチルチルとミチルの話を思い出した。
普段生活をしている中で、我々は様々な思い込みや先入観を前提に
対象の存在を認識している。
これは〜だ。と勝手に情報処理して決めつけているんだと思う。
それは生きてきた中での学習や経験に基づいて処理される情報からなる。
きっと青い鳥の話の教訓は、単なる幸せ発見物語ではなく、
いかに外からインプットされた情報の呪縛から解放されて、
目の前の対象とじっくり向き合うことで、
はじめて見えてくるモノ、コトがあるということなのかもしれない。
日本文化の中で培われてきた「見立て」という感覚は、
その感覚と非常に近いものだと思う。
言うまでもなく、外の世界は刺激がたくさんある。
知らなかった情報に容易にアクセスできる時代においては、
世の中のありとあらゆる刺激的な体験や知識を、
短時間で自分の中に取り込むことができる。
それは、空の青の無限の広がりと同じようなものだ。
でも、人一人の心はそんなに大きくない。
だからこそ、時々自分だけの青が欲しくなる。
ジェームスタレルの空を切り取ったインスタレーションアートに惹かれるのは、
そういう理由だったりするのだろう。
2015.02.06
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