格子状に並んだ四角は、
日本家屋で見慣れた障子や格子窓を連想させる。
格子窓から差し込む光が室内の陰を照らすように、
光の四角を配置してみた。
格子は、角材を縦横の格子状に組み上げた道具であり、
間に補強用の水平材が必要ないのが特徴である。
基本的には建物の採光側に用いられ、
内部での採光と風通しを確保し、外部からの侵入と、
視線の遮りの効果がある。格子に決まった比率はなく、
京町屋ではその違いによって
店の業種の違いを表しているという。
素人が見極めるのはいたって難しそうである。
個人的な感覚でいうと、格子はもはや
機能的な意匠よりも装飾的な意匠としての側面が
強くなっているのではないかと思う。
昔は機能的に考えてデザインされたものが、
時代を経て風情を感じるものに変化してきているのではないか。
古くからの日本の木造建築が減っていくと、
必然的に姿を消していってしまうものには、
今後更に付加価値が付いていくのだろう。
光がある世界で生きている以上、
四角い格子が我々に与えてくれる視覚的な楽しみは、
数学的に計り知れないものがあると思う。
2014.04.23
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