1本の骨に罅が入ったような図形が描けたので
レントゲン写真のように、周囲の肉もつけてみた。
人間の身体はそもそも、曲がるようにできている。
曲がらないと、不便すぎるのだ。
しかし、骨は硬く、それを曲げるのは至難の技だ。
そのために、関節という非常にフレキシブルな部位を設けて
様々な動きに対応できるようにしているのだろう。
硬くて曲がらない場所が折れる骨折は、
その力学的な反動を考えただけでも痛くなる。
ちなみに私は生まれてこのかた骨折したことがない。
小さい頃におやつに小魚を食べさせられていて良かったと思う。
日本語の慣用句では、よく「骨を〜」という表現が使われる。
「骨を折る」とは、精を出して働くことや、
苦労を厭わずに人のために尽くすことの例えにされる。
「骨を砕く」や「粉骨砕身」は、骨身を惜しまず
一生懸命に働くことや、身を砕くほど努力することを言う。
また、「肉を切らせて骨を断つ」ということわざは、
捨て身で相手に致命的なダメージを与えることを意味している。
なんということか。骨折は不慮の事故なのに対し、
日本人は様々な場面で自らの骨を意図的に折るのだ。
とんでもない自虐的な人種だと思う。
未だに骨折はしたことがないが、
自分は何かに骨を折っているだろうかと考える。
骨を折る覚悟をした日本人には手に負えない強さがある。
その強さを発揮してこそ、その人間の真髄なのだろう。
2015.04.21
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