白く角があまり鋭角ではない箱型の図形が描けた。
角が尖っていると硬い個体をイメージするが、
角が丸まっていると急に柔らかい個体をイメージできるようになる。
これは、もはや豆腐にしか見えなかった。
醤油でもかけてみようかと思ったが、
その柔らかくて白く透き通った肌に黒い醤油をかける勇気がなく、
中間色の柔らかい緑色の山葵をのせてみたのが、
この山葵豆腐である。
「山葵」と「豆腐」には英語独自のが呼称なく、
英語で表記する際もWASABIとTOFUであるようだ。
なかなか稀有な組み合わせだと思うと同時に、
日本
人らしい感性を刺激する、
世界に誇れる日本独自の食の組み合わせだと思う。
日本人は、白黒はっきりさせない傾向があると言われるが、
その曖昧さがゆえに生まれてくる日本人らしさも、あると思う。
例えば、「このくらい」とか「ここらへん」といった言葉の表現も
色で言うとグレイッシュというか、確信犯的に使用しているように思う。
きっと歴史の中で培ってきた日本人同士のコミュニケーションが、
この曖昧さという土壌の上で独自に育ってきたのだろう。
それとは逆に、墨で1 筆入れる瞬間の緊張感に
異常なまでのこだわりを持つ書の文化も発展してきた。
曖昧さとは、境界をなかなか決めないこととも言えるが、
慎重に見極めた境界を引くために、
じっくり吟味しているとも言えるのではないか。
2015.01.16
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