無作為にうねうねとした線を描く。
できるだけ手癖がない線を描くのは難しい。
それは、線香から立ち昇る一筋の煙が、
微弱な風に吹かれその姿をくねらす様に似ていた。
仏壇の前に線香を立てて先祖を拝むようになったのはいつからか。
我々にとってこんなにシンボリックな行為は他にあまりないだろう。
立ち昇る煙の不規則な動きに集中して、
目の前に対象があるにも関わらず、手を合わせて目を閉じる。
逆立った感覚を鎮めて先祖のことだけに思いを馳せるのか。
まるで、どこまで我々は感覚を今いる場所から遠くへ持って行けるのかを、
線香に試されているようだ。
線香はINSENCEだが、我々は線香の前で
感覚の奥の奥の深淵まで降りていくIN SENSEな状態になっていると思えた。
線香の煙に関しては諸説あり、
霊魂がこの煙を辿って天に昇るとか、
できるだけ手癖がない線を描くのは難しい。
それは、線香から立ち昇る一筋の煙が、
微弱な風に吹かれその姿をくねらす様に似ていた。
仏壇の前に線香を立てて先祖を拝むようになったのはいつからか。
我々にとってこんなにシンボリックな行為は他にあまりないだろう。
立ち昇る煙の不規則な動きに集中して、
目の前に対象があるにも関わらず、手を合わせて目を閉じる。
逆立った感覚を鎮めて先祖のことだけに思いを馳せるのか。
まるで、どこまで我々は感覚を今いる場所から遠くへ持って行けるのかを、
線香に試されているようだ。
線香はINSENCEだが、我々は線香の前で
感覚の奥の奥の深淵まで降りていくIN SENSEな状態になっていると思えた。
線香の煙に関しては諸説あり、
霊魂がこの煙を辿って天に昇るとか、
香は神仏の食べ物とも言われ、
生前の行いの善かった者はいい香りを食すことができ、
生前の行いが悪かったものは、悪臭しか食せなくなるという。
死後の世界のことなど、慌ただしい毎日に追われていると
なかなか考えないものだが、
1本の線香から、自分の日頃の行いを見直すこともできるという
我々の祖先が築いてきた説や風習というのは、
なかなか興味深く、考えさせられるものだと思う。
特に、昔から信仰と関わってきたシンボリックな図像の周辺には
想像もつかなかったバックストーリーが落ちていることがあり、
シンボリックなデザインコンセプトのヒントになるものが沢山あるように思う。
そういった図像は言葉を発さず静かに佇んでいるが、
こちら次第で、感覚の深淵へどこまでも付き合ってくれる。
2015.01.15
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